新築住宅の5大キッチンメーカーそれぞれの特徴と後悔しない選び方を分かりやすく紹介

Panasonicのキッチン

家電メーカーならではの提案が光る

パナソニックのキッチンは、１㎜単位で天板の幅をオーダー可能で、Ｔ字型などの特殊なレイアウトもオーダーできるなど、造作キッチンに近い自由度が特徴です。有機ガラスで強化した、高級人造大理石「グラリオカウンター」は硬くてキズがつきにくく、薄さも1㎜でデザイン性や質感も良好。

調理設備では、トリプルワイドIH、トリプルワイドガスが特徴的。魚焼きグリルを無くして、3つのコンロを真横に大きく並べる斬新なレイアウトになっています。コンロの位置が他メーカーに比べ奥まっているため、レンジフードも一緒に奥に移動。背の高い人がコンロの前に立ってもレンジフードに頭をぶつけにくい、地味に嬉しい設計に。

キッチンレイアウトも新たに2つ提案しています。横長の4口コンロ「いろりダイニング（対面のIHコンロ）」は、囲炉裏のように多人数で料理を作りながらワイワイと食べることができるを、コンセプトに創られた新提案。テーブルの真ん中にコンロがあることで配膳の手間がないことや、コンロの横にシンクがあるため後片付けもラクラク。みんなで鍋を囲みたい冬には特にもってこいのスタイルです。

もう一つの「Idobataスタイル」は、シンクを真ん中に配置して左右に調理スペースを2か所に設けて、ご夫婦やこ子ども、家族みんなで食事を作ることを想定したレイアウトです。

他にも、キッチンが浮いたように見える憧れの「フロート型デザイン」のキッチンもパナソニックさんは用意しています。床とキッチンキャビネットの間が空いている洗練されたデザインがオシャレで上質なリビングキッチンを演出します。

Panasonic Webサイト

タカラスタンダードのキッチン

新技術のホーローデザインを開発

タカラスタンダードのキッチンキャビネットと扉に採用されているホーローは、鋼板にガラス質の釉薬を焼き付けてコーティングしたもの。油汚れが着きにくく水も染みこまない、耐久性がとても高い素材で、キッチンの綺麗さお手入れのしやすさを重視するご家庭にとても人気のキッチンです。

これまでは窯変ホーローという、表面がキラキラとした輝きを持ち、微妙な濃淡のついた色が人気でしたが、2021年の夏、新たにホーローにインクジェット印刷を施すことでマットな質感や多彩な色表現が可能な新色を追加「灰緑」「白磁」は、磁器のような色合いと模様で和の空間にもマッチする色味で、「ラスティブラウン」「ブラウンシルク」は、ブルックリンスタイルなど現代的インテリアにとてもマッチします。

ハイクラスに採用されている「クオーツストーン」という高級人造大理石のキッチン天板は、天然水晶を砕いて樹脂を少しだけ混ぜて固めたもので、93％が天然水晶のため、表面が硬く、傷がほとんどつきません。経年劣化による色あせの心配もなく色も7色用意されているので、キッチンを重要視する人には非常に人気。抗菌性もあって清潔に使いたい人にもオススメです。

更に「家事らくシンク」には、３層の溝があり、専用の水切りプレートやまな板などをセットすることで、洗う→切る→捨てるの一連の動作を効率よくシンクの上で行えるので、後片付けや清掃もラクラクの動線を実現しています。

タカラスタンダードのキッチンは、ホーロー素材によってお手入れが楽で、清掃性に優れていることと、マグネットによって収納の自由度が高く整理しやすいことが一番の魅力です。レンジフードの横にある上吊戸の底板は、「ここを見ればフードの汚れがわかる」ほど汚れますが、底板はオプションでホーローにできるので、レンジの見えないところまで掃除が楽にできますよ。

タカラスタンダードWebサイト

LIXILのキッチン

セラミックトップが大人気

LIXILのキッチンは「リシェルSI」がとても人気です。セラミックトップのキッチンカウンターが最大の売りで、熱に強く、硬いという特徴があります。質感の高さも人気で、LIXILといえば「セラミックトップ」と言えるほどイメージが定着しています。

さらに収納の使いやすさにも力を入れています。「らくパッと収納」は、引き出しを開ける時に扉が斜めに傾くことで引き出す力を約30%削減。しかも、扉裏にある「パッとポケット」も傾くために、腰をかがめることなく中の器具を確認して取り出せます。また、引き出し上部にある「パッとシェルフ」も連動して出てくるので中身を確認しやすく、引き出しを最後まで開けるとストッカー部分が顔を出し、鍋などが楽に取り出せる工夫も。

カウンターの背面収納（キッチンクローゼット）にも特徴があります。扉は化粧部分とスモークウインドウ部分に分かれていて、スモークウインドウ部だけを開けて食器を出し入れが可能に。これにより、化粧部分にはカップ麺など来客時に見せたくない物を収納し、ウインドウ部に素敵な食器を収納できるという使い勝手のよい設計を実現しました。

シンクの中で作業を完結できる「Wサポートシンク」は、高さを可変できるシンクサポートとアンダープレートを設けることで、身長が低いお客様からも“根菜を湯がいた大きな鍋を置いたり、皮をむく作業が楽になる”との評価が。もし、キッチンの高さが身長と合わなくても、キャビネットの高さ以外にシンク形状や使い方を変えて個別に設計できる仕様です。

LIXIL Webサイト

クリナップのキッチン

使いやすさを重視した設計

クリナップキッチンは、大型サポートプレート設置するなど、シンクを調理面としても使い、作業スペースを約2倍に拡大した、使いやすさを重視した設計が特徴です。プレートから1段下がったデッキスペースは、水勾配がついていて作業台としてもシンクとしても使えて機能性も向上。

さらに引き出しの滑らかな動きを実現する、オーストリア・ブルム社製最上級のレール「レグラボックス」をハイクラスには搭載。大型の引出しがぶれることなくスムーズに開閉し耐荷重も高いので長く安心して使えます。また、引出の内寸が同社の他シリーズより45㎜広く、収納力も考慮したスリム設計です。

ワークトップ、扉デザインともに選択肢が豊富なのも特徴です。ワークトップは、クリナップの代名詞ステンレスはもちろん、人工大理石のアクリストン、スペイン社製のセラミックと約20ほどの種類から選ぶことが可能です。

扉デザインは約40種類あり、職人が手作業で仕上げる京友禅調デザインやステンレスに加工を施して虎目石調に仕上げたもの、ウォールナット突板仕上げなど幅広いバリエーションがあるので、キッチンを自由にとことんこだわりたい人には嬉しいラインナップです。

クリナップWebサイト

TOTOのキッチン

水の流れと水栓に特色が

TOTO のキッチンは、透明感ある「クリスタルカウンター」のイメージが強いでしょう。耐光性や耐熱性を向上させたハイブリッドエポキシ樹脂からできていて、ガラスのような見た目の透明さと、360℃に加熱した鍋底を20 分置いても変色や膨れなどの異常がなかったという耐熱性、擦り傷をクレンザーで磨いて落とせる非常に強い耐久性が最大の特徴です。

「スクエアすべり台シンク」や、高い位置から幅広のシャワーが出てくる「ほうき水栓」が選択可能。マイ水筒を持参する人が増える中で、水筒を立てて洗いやすいのは嬉しい特徴です。このほか、安全な濃度の次亜塩素酸水を作る「きれい除菌水」機能で、まな板や包丁、網かごを除菌できるのも魅力。

水ハネや音の問題を考えた「水の動線」がTOTOキッチンのもう一つの特徴。空気の含み方や食器と水が接した時の流れなどを考えた水栓技術は秀逸で、クリスタル天板やシンク、水栓のバランスがとても美しいキッチンです。

TOTO Webサイト

新築キッチンの選び方

ポイント①ー高さー

まず、キッチンの天板は高すぎると肩こりに、低すぎても腰痛などにつながります。身体に負担の少ないキッチンの天板の高さは『身長(cm)÷2＋5』で算出できると言われていて、例えば身長が160㎝の人だと85㎝が最適な高さとなります。（160÷2＝80＋5＝85）

また、キッチンで人が無理なく作業できる範囲は『身長(cm)×0.4～0.8』と言われています。頭上の食器棚の位置やよく使用する調理家電の配置などを決める際のサイズの参考にすると、使いやすいキッチンにぐっと近づけることができるでしょう。

なお、キッチンの高さを考える際は、利用頻度の多い人を基準にしましょう。身長が低い人に高さを合わせた場合でも、脚の付いたまな板を用意するなどの工夫で身長ごと作業のし易さを調節できます。

ポイント②ーシンクの位置ー

シンクの位置は利き手側が便利です。右利きの場合は、右からシンク、調理スペース、コンロ（加熱器）の並びで、左利きはその逆に。利き手側が便利だと言われる理由は、右利きの場合、包丁で食材を切ったときに右に残る生ごみをシンクに落としやすい、泡立て器で等のかき混ぜる作業などを行うときにコンロ側に壁があると動かす右手がぶつかること、などが理由です。

組込式食洗機も、右利きの場合はシンクの右側にあると便利です。使用済み食器はシンクで軽くすすいでから食洗機にセットするため、右側にあればスムーズにセットできます。逆に左側に食洗機があると、毎回身体をひねって食器をセットすることになるので、毎日使い続けるとストレスの原因に。キッチンは料理のしやすさ以外に、洗い物や片付けのしやすさも重要です。

ポイント③ーコンセントの位置ー

見落としがちなのがキッチン周りのコンセントの高さと位置です。よくある失敗として、コンセントの『数が足りない』『位置や高さがおかしい』『間隔なくいくつも設置』の3つがあります。

中でもコンセントの数不足については、「ライフスタイルの多様化で、キッチンの小型家電のバリエーションが増えた。スマホやタブレットでレシピや動画を見ながらの料理が一般的になってきた」という理由で、キッチン周りのコンセント需要が増えてきていると言います。

コンセントの位置がキッチンから離れているために、電子レンジを遠い場所に置くことになってしまった…という後悔の声もあります。間取りを検討するときから将来も踏まえて必要になりそうなコンセント数を確保しておくのをおすすめします。

キッチンを安全に使う為の注意点

最近はレンジフードの整流板の上におしゃれな鍋や観葉植物を飾るユーザーもいますが、落下事故や火災の可能性があってとても危険です。また、コンロの周りに調味料類を置くのも控えましょう。トレイなどに移し、使うときだけ手元に置いておくことが安全のコツです。

もう１つ、安全に使うために気をつけたい点として、配線コードを床に這わせないことです。料理を運ぶときなどに足を引っかけてしまいかねないので、配線コードが料理動線を妨げないように、家づくりの際にキッチン周りの電源の位置や高さをしっかり検証することはとても大切です。

コロナ禍で高級キッチンが人気に

各メーカーよると、高級タイプの売上げが伸びているとのことです。その理由は、「インスタグラムなどSNS の影響で、デザインや色にこだわって良いものを求める人が増えた」「男性も積極的に料理に参加するようになり、キッチンにも理想やハイスペックを求める人が増えた」など、各メーカーショールームからは、いろいろな声が上がっています。このほか、家で快適に過ごしたいという人が増えて、キッチンにお金をかける傾向もあるようです。

「キッチンなんて成熟商品だから、どのメーカーも似たようなもの」と思いがちですが、特に高級キッチンには会社ごとにさまざまな個性があるので、住まいにこだわりたい人にとっては、重要な差別化ポイントになっているようです

今すぐ内覧！3Dモデルハウス

実際に新築を見たい方へ。新築見学会の情報はコチラ

まとめ

今回は各メーカーのキッチンの特徴を一覧で紹介してきました。新築のLDK空間の大きな部分を占めるキッチンは、ただの調理スペース以上にリビング空間のデザインを方向付ける顔といっても良い要素です。だからこそ、家づくりの中でたくさんの人が悩んだり、こだわりが強くでる部分でもあります。

また、キッチンにはアイランド型、ペニンシュラ、L型など形状にも多くのプランがあるので、真剣に探し始めると面白い反面大変な部分もあります。この記事がキッチン選びの最初の一歩や、どのメーカーにしようか悩んでいる人の参考になれば幸いです。