- 2021.05.24

家は人生で一度の買い物です。そんな決意で購入した家だって、住んでいれば少しずつ劣化していく…悲しいけどこれ現実なのよね。今回は、大切な大切なマイホームを長く住み続けるために、当社のホームインスペクターがオススメするご自身できるセルフチェックポイントを紹介します。今回は外回り編です。どれもカンタンにできるので、ぜひ実践してみてください!
ホームインスペクター(住宅診断士)とは、住宅診断のプロとして、建築・不動産取引・住宅診断方法などにおける一定以上の知識、高い倫理観を有することを消費者に明示するために、JSHIが2009年より実施している「公認ホームインスペクター(住宅診断士)資格試験」に合格し、認定会員として登録している個人に対して付与する民間資格です。・・・
住宅全体の劣化状況や欠陥の有無を目視でチェックし、メンテナンスすべき箇所やその時期、おおよその費用などを「中立な立場」でアドバイスする専門家です。
(日本ホームインスペクター協会HPより)
- Contentsこの記事で読めること
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お家の簡単セルフチェックポイント~外回り編~

1.外壁や基礎にヒビや剥がれがないか

専門用語では“クラック”ともいいます。ひび割れの最大の問題は、外壁に隙間を作り雨水の浸入を許してしまうので、建物を支える構造体や断熱材を腐食させてしまうなどの悪影響を及ぼし、建物の性能を著しく奪ってしまうことにあります。最悪の最悪、倒壊の恐れも…。これだけ聞くと大げさで怖い印象がありますが、目安として「すぐに補修が必要」なのか「様子を見ても問題のないのか」を判断することは可能です。
ーポイントはひび割れ幅0.3mm未満・深さ4mmなのかそれ以上なのかどうか
一般的に、0.3mm未満・深さ4mmのひびは建物自体の構造に直接影響を及ぼさないので緊急性は低いです。主に、コンクリートなどが寒暖の差や乾燥等で収縮・膨張したときに表面に生じる亀裂で、ヘア(髪)クラックともいわれます。ただし、割れていることには変わりないので時間の経過とともに大きなひび割れに進行する可能性も。そのため、定期的にチェックをする必要はあるでしょう。
ーひび割れ幅0.3mm以上・深さ4mm以上の場合は補修を検討
構造クラックとよばれる壁や基礎部分などの構造自体に生じるひび割れである可能性が高いです。ひび割れが大きくなればなるほど、雨水の浸入を許すようになり構造体へのダメージが加速度的に傷んでいくので、まずは専門業者に点検を依頼し必要な補修について相談してみましょう。
屋根の状態を確認しよう
- 全体像の把握(遠景)…建物の外壁や屋根に、大きなひび割れ変形がないか
⇩ - 細部による確認(近景)…外壁の塗装の剥がれ、タイルのひび割れ、目地の劣化など
⇩ - 接触による確認(触診)…表面のざらつき、浮き、ぐらつき、強度など
⇩ - 内部の確認…外側から見えない部分、内装や配管など(外部の劣化と連動している場合がある)
⇩ - 機能性の確認…窓の開閉、ドアの施錠、水回りの水漏れなど
雨樋や排水溝の詰まりチェック
雨樋や排水溝のつまりによって、雨水が地面へうまく排水されず、家の周りが水浸しになってしまい、外壁やその周りが汚れてしまいます。また雨水をあふれたままにすると、外壁から水が染み込み雨漏りや外壁が傷む原因となります。 原因としては①砂や泥、②落ち葉、③鳥の巣等の異物が挙げられます。

- 軒樋のごみをトングなどを使って取り除く
- ホースで竪樋に勢いよく水を流す
- パイプクリーナーで詰まりをを取る
※2F以上の高所は、自分で掃除するのではなく業者に依頼しましょう。バランスがとりづらくなり、綺麗に掃除しにくくなると、転落事故の恐れがあるため無理はしないようにしましょう。
雨漏りや外壁の傷みまで進んでしまうと、もう掃除だけでは解決できず、何十万と修繕費が掛かってしまうケースもあります。しかも、一度雨漏りしてしまうと、お家自体の寿命も縮んでしまいます。それを防ぐためにも、定期的に雨樋掃除を行いましょう。
外灯・フェンス・駐車スペースなどの劣化確認
- フェンスの傾きやぐらつき、錆び(鉄部)
- 階段やスロープタイルの割れ・剥がれ、手すりのぐらつき、滑り止めの摩耗
- 照明の配線の露出・断線、点灯不良・破損、支柱の腐食・錆び
- 駐車場・駐輪場の区画線の消え、車止めのずれ・破損、屋根・支柱の劣化
上記の項目を定期的に確認することで、安全性・機能性・美観を維持することができます。
チェック頻度・タイミング
チェックの頻度は場所によってそれぞれ少しずつ異なりますが大体年1~2回ほどです。
【確認スケジュール例(年間)】
[月] [主な点検内容]
3月~4月(春) 外壁・屋根・排水確認・植栽チェック
6月 (梅雨前) 雨樋・排水桝・屋上防水確認
9~10月(秋) 照明設備・植栽・舗装・外構チェック
台風・大雨後 屋根・外壁・排水・塀の破損確認(臨時確認)
建物や敷地は時間とともに必ず劣化します。劣化に気づいた時にはもう手遅れな状況です。適切な点検頻度・タイミングに自分自身で簡易チェックし、早めに対策することをおすすめします。
2.外壁に触ると手に粉が付かないか

これは『チョーキング』といい、外壁を触った時に粉が手に付いてくる現象です。チョーキングは経年劣化によりほとんどの外壁で起こります。色が付いている塗料を使用している場合は、ほぼ起こると言っても良いとてもポピュラーな症状です。チョーキングは、外壁の塗料が長年の直射日光や風雨などの影響によって劣化することで発生します。具体的には、「塗膜」といわれる塗料を塗った面を保護する膜が経年劣化により分解されて、色味を構成する「顔料」がむき出しになったことで塗料が粉化することで、外壁を触ると手に粉が付くようになるのです。
ーチョーキングにはどんな悪影響が?
すぐにお家がダメになってしまうわけではありません。ただ、外壁の素材自体がノーガードで外部にさらされている状況なので、雨などの水分を含みやすい状態です。そのため長い間放置しておくと、外壁材が痛む、反りや浮きが発生する、内部の構造材の腐食が進む、といった事が起こる可能性があります。
ーチョーキングは5~10年で発生する
チョーキングは外壁メンテナンスの最初のサインといわれています。外壁は5~10年で一度張り替えるといった話を聞いたことがある人もいるかと思いますが、この5~10年という数字はチョーキングが起こりやすい年数を指しているのです。
ーチョーキングのカンタンな確認方法
①南側の外壁面、②直射日光が一番当たる外壁面、③西日が当たる外壁面にチョーキングが発生しやすいので、この箇所を定期的に手で触ってみてください。また、出始めの頃は緊急性が高いという訳ではありませんが、外壁メンテナンスの目安となりますので、安易に自己判断せずに専門業者に点検を依頼し必要な補修について相談してみるといいでしょう。
3.敷地内で羽アリを見かけたか

木造住宅の天敵“シロアリ”の話です。羽アリとは、シロアリが新しい巣を作るために活動している状態の姿であり、お家の周りで羽アリをよく見かけるようになったときは、近くにシロアリが新しい“巣を作り始めた”可能性があります。近くに引っ越してきたかも知れないですし、場合によってはお家が新しい巣になっていることも…。
なお、羽アリとは文字通り、羽の付いたアリです。具体的にどんなヤツなのかは下記ページをご参考下さい。ちなみに普通のアリ(黒アリ)にも羽アリがいます。こちらはもちろん木材を食い荒らすというような加害はありませんのでご安心を。なお、シロアリとの見分け方は、羽の大きさ(シロアリは前後の羽の大きさがほぼ同じだが、クロアリは前の羽が大きい)や、胴体(シロアリは寸胴でくびれがないがクロアリは腹部がくびれている)の違いがあります。
ー普段からできるシロアリ対策
木造住宅におけるシロアリの恐ろしさは言うまでも無いので今回は割愛しますが、共通していえる対策は、普段から通気と換気を心がけることです。シロアリは湿気の多い場所を好み住み着きます。 そのため、家に湿気を溜め込まないことが、シロアリ予防の第一歩であり欠かせないポイントです。特に、梅雨時期から夏場のジメジメする時期は、外気の熱さも相まってなかなか換気を怠りがちですが、意識的換気をするように心がけてください。これから家づくりを検討する人は、そもそもシロアリを寄せ付けない換気性能バッチリの家を建てるというのも良いですね。この点は、当社も自信があります!(自慢ですね…笑)
ここまでだと羽アリを見ると慌ててしまいそうな内容ですが、羽アリ自体には害はありません。また、羽アリの発生はずっと続くことはなく数日で止まります。ただ、だからと言って放置してしまうと、知らず知らずのうちに建物への食害が発生してしまう可能性があります。ちょっとの油断が命取りですので、羽アリを見かけたときはまずは調査してもらい、必要に応じて駆除を実施する事が大切です。
今回紹介したのは、主に外壁や外回りで簡単にできるセルフチェック方法です。少しの気づきで大変な事態を未然に防ぐことができるので、この記事を参考にぜひご自身でチェックしてみてください。そして、少しでも気になる箇所あれば、ぜひご相談いただければ幸いです。

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