2021.10.16

【2022年】新築住宅の購入時の補助金まとめ。減税の優遇制度の動向も徹底調査

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※2022年1月11日『こどもみらい住宅支援事業』の情報追加

各省庁から2022年度予算の概算要求が発表されました。新築などの住宅関係の補助金は「地域型住宅グリーン化事業」「長期優良リフォーム推進事業」「ZEH(ゼロ・エネルギー住宅)・LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)といった省エネ住宅への補助事業」を継続して予定しているとのこと。

補助金額などはまだまた未定のようですが、これから新築住宅や中古住宅の取得を検討している方は、どんな制度を利用できるのか、自分は対象となるか等の情報を事前に確認しておくことで、住宅購入のイメージがしやすくなるはずです。

この記事では、2021年度の住宅補助金ラインナップを紹介していくので、マイホームづくりの参考に是非ご活用ください。

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国の住宅関連の補助金について

国土交通省の補助金概要

国土交通省の内容を見ると、①地域の住宅関連事業者で構成するグループの中小工務店が建てる新築の長期優良住宅やZEHなどを対象とした「地域型住宅グリーン化事業」②省エネ改修等に補助を行う「長期優良住宅化リフォーム推進事業」③LCCM住宅やサステナブル社会の形成に貢献するリーディングプロジェクトを対象に補助を行う「サステナブル建築物等先導事業」④適切なリフォーム・維持管理によって、良質な既存住宅が適正な価格で市場に流通するための仕組みづくりを補助等で支援する「住宅ストック維持・向上促進事業」など、今年度行われている補助事業はいずれも継続実施の予定。ただ、現時点では補助要件・補助額ともに明らかになっていないほか、事業名称についても変更の可能性がありそうです。

また、スマートウェルネス住宅等推進事業の中で実施しているサービス付き高齢者向け住宅や、公営住宅・UR賃貸住宅等の新築補助は、原則ZEH相当の一定の省エネ性能を要件化する可能性が。住宅の2025年省エネ基準義務化へ向けた動きも見られるほか、業界に大きな影響を与えた今年のウッドショックのような木材価格の高騰や需給ひっ迫に備えて、安定的な木材確保に向けた取り組みに対する支援強化も計画しているようです。

※2021年度の一般向け新築住宅の補助金概要

  • 地域型住宅グリーン化事業は、ZEH型だと最大140万円、長期優良住宅だと最大110万円、低炭素住宅などの高度省エネ型だと最大70万円(上限の引き上げ措置もあり)
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業は、対象となるリフォーム工事費の1/3を補助。高度省エネルギー型は最大250万円、長期優良住宅型は最大200万円、評価基準型は100万円(増改築だと加算して給付)
  • サステナブル建築物等先導事業は、補助対象住宅(CO2の削減の先導的な技術が導入等が要件)の費用の1/2を補助するもの
  • すまい給付金は、2022年12月末で終了となり継続の予定はなさそうです

経済産業省の補助金概要

経済産業省の概算要求では、2025年度(令和7年度)までの事業として①「ZEHロードマップ」のZEH判断基準をクリアする通常の『ZEH』②高性能なZEHとして位置付けられた『ZEH+』③燃料電池や蓄電池、V2H(Vehicle to Home)設備を活用して再生可能エネルギーの自家消費を拡大する『次世代ZEH+』の7種類のZEHに対する補助を引き続き採択予定。加えて、低層~超高層のZEH分譲マンションへの補助も同じく継続となります。

『次世代ZEH+』の給付金は明らかになっていませんが、『ZEH+』は定額100万円/戸、通常の『ZEH』は同55万円/戸になる見通しで、それぞれ今年度より5万円の減額となりそう。ただ、蓄電池やCLT(直交集成板)、地中熱ヒートポンプ、太陽光・太陽熱一体利用システムなどを用いる場合に別途補助を行う制度は継続されます。

後は、工期短縮可能な高性能断熱材や蓄熱・調湿材等による既存建物の改修の際に費用の最大1/2を補助する「次世代省エネ建材実証事業」と、既存住宅の断熱リフォームに費用の1/3を補助する(戸建てで最大120万円/戸、集合で同15万円/ 戸)「断熱リフォーム支援事業」を今年度に続いて計画しています。

※ZEHとは、外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅

※ZEH+とは、ZEHの要件に加え「さらなる省エネルギー性能」「HEMSによる、住宅設備の制御」「発電した電力を電気自動車等に充電できる設備を車庫等に設置」等を備えた住宅

※次世代ZEH+とは、ZEH+の要件に追加で「蓄電システム」「燃料電池」「V2H充電設備」「太陽熱利用温水システム」等の要件を満たす住宅

環境省の補助金概要

環境省では「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」と「グリーンライフポイント推進事業」を新たに創設。「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」はZEH住宅の建築や断熱改修などによって脱炭素に取り組む都道府県・市町村を交付金によって支援するもので、都道府県・市町村からZEHや断熱改修に取り組む住宅会社へ補助金が交付されるケースも検討しているとのこと。

「グリーンライフポイント推進事業」は、国民の環境に配慮した行動を促進するため、環境性の高い製品の購入や地産地消などへのインセンティブとしてポイント=グリーンライフポイントを発行する地方公共団体や事業者等に対し、企画・開発等の費用を補助するもの。住宅関連のポイント発行対象としては、高性能省エネ機器への買い替えや節電の実施、再エネ電気への切り替えなどが想定されています。

NEW:こどもみらい住宅支援事業

子育て世帯・若者夫婦世帯による、高い省エネ性能を有する新築住宅の敗得や住宅の省エネ改修等に対して補助。①ZEH、Nearly ZEH、ZEH Ready、ZEH Orientedの性能条件に適合する住宅に100万円、②高い省エネ性能等を有する住宅(認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅)に80万円、③省エネ基準に適合する住宅(断熱等級4かつ一次エネ等級4以上を満たす住宅)に60万円を補助します。さらに、リフォームに関しても、住宅の省エネ改修には上限45万円、既存住宅購入を伴う場合は60万円を補助します。

※子育て世帯は『18歳未満の子を有する世帯』、若本夫婦世帯は『夫婦いずれかが39歳以下の世帯』をいいます

税金の優遇制度について

税金の軽減についての改正要望も公表されています。国土交通省では、①一戸建てで3年間、マンションで5年間を1/2とする固定資産税の減額措置②認定長期優良住宅で固定資産税減額措置を戸建てで5年間、マンションで7年間に延長するなどの優遇措置③耐震・省エネ・バリアフリー・長期優良住宅化の各リフォーム工事翌年度の固定資産税を1/2~2/3を目安に減額する措置など、今年度末までの時限措置となっている主な税制優遇を、いずれも2023年度末(一部は2023年末)まで2年間延長することを検討しています。

このうち、省エネリフォーム工事を対象とした減税措置では、所得税減税の要件のうち「全居室のすべての窓の断熱改修」を「窓の断熱改修」に緩和して、固定資産税減税の築年数要件を「平成20年1月1日から存在」を「新築から10年以上経過」に見直す動きも。

また、消費税の増税に伴って2022年度末までに適用期限が延長されていた住宅ローン減税や住宅取得資金の贈与税非課税措置などの住宅取得促進税制については、今後の経済情勢等を踏まえ、必要な対応を行い所要の措置を講じるとしています。

このほか、環境省では住宅の脱炭素化の観点から、ZEHを消費者にとって身近なものにするとともに、いっそうの普及を促すため、必要な検討を行って所要の助成を講じる考えを表明するなど、ZEH減税の可能性あるようです。

※注文住宅や中古住宅を取得したら利用できる減税制度一覧

  • 住宅ローン控除(※所得の制限あり)
  • 印紙税の減税
  • 登録免許税の減税
  • 不動産取得税の減税
  • 固定資産税の減税
  • 都市計画税の減税
  • 住宅取得等資金に係る非課税措置

補助対象となる住宅の主な種類

  • 【ZEH】とは、外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅
  • 【ZEH+】とは、ZEHの要件に加え、①さらなる省エネルギー性能、②HEMSによる、住宅設備の制御、③発電した電力を電気自動車等に充電できる設備を車庫等に設置、などを備えた住宅
  • 【次世代ZEH+】とは、ZEH+の要件に追加で、①蓄電システム、②燃料電池、③V2H充電設備、④太陽熱利用温水システム、などの要件を満たす住宅
  • 【長期優良住宅】とは、長期にわたり良好な状態で使用するために、以下のような要件を満たした住宅を指します。①バリアフリーリフォームに対応できる、②ライフスタイルの変化に応じて間取り変更が可能、③耐震等級2以上または免震建築物などの耐震性、④省エネルギー対策等級4以上、⑤地域の居住環境の維持・向上に配慮、⑥定期的な点検、補修等に関する計画が策定、⑦維持管理を容易な内装や設備、⑧床下空間330㎜以上確保や劣化対策等級3相当、⑨一戸建ては75m㎡以上で少なくとも一つのフロアの床面積が40㎡以上ある
  • 【LCCM住宅】とは、ライフサイクルカーボンマイナス住宅の略称で、建物寿命が長くCO2もより一層削減するという目標の下、建設時、居住時、廃棄までのライフサイクルトータルでCO2の収支をマイナスにする住宅のことです。分かり易くいえば、ゼロエネルギーハウスを超えたマイナスエネルギーハウスです。入居している時にエネルギーを創り出す設備はもちろん、解体後の廃材がリサイクルしやすい材料の採用など、構造の部分も考慮して建築する必要があります。
  • 【サステナブル建築物】のサステナブルには“持続可能な”という意味があり、建物の種類というよりは概念に近いです。定義としては①建築のライフサイクルを通じての省エネルギー・省資源・リサイクル・有害物質排出抑制を図り、②その他地域の気候、伝統、文化および周辺環境と調和しつつ、③将来にわたって人間の生活の質を適度に維持あるいは向上させていくことができる建築物を構築すること、です。(引用:一般社団法人日本建設業連合会)上記のLCCM住宅もサステナブル建築に含まれるので、具体的どんな性能の住宅かという要件がキッチリ決まっている訳ではありません。
  • 【断熱性等等級4】とは、「次世代省エネ基準」といわれ、壁や天井だけでなく、開口部(窓や玄関ドア)なども断熱が必要となる。
  • 【一次エネルギー消費量等級】とは、一次エネルギー消費量の大きな削減のための対策が講じられている住宅のこと。

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秋田県の住宅支援制度一覧

最後に、私たちの会社がある秋田県の市町村独自で実施している助成金や支援制度を以下にて一覧で紹介します。(※2021年の情報です)全国の都道府県でも様々な軽減措置を用意しているので、お住まいの地域の自治体ホームページはしっかり検索してください。

  • 住宅リフォームの補助
  • 多世帯同居・近居推進事業
  • 地場産材使用住宅建設の補助
  • 木造住宅耐震改修の補助/木造住宅耐震診断の補助
  • 排水設備設置(改修)の補助・利子補給
  • 浄化槽設置の補助・利子補給
  • 水洗化資金の融資・利子補給
  • 公共下水道等接続の補助
  • 太陽光発電装置設置の補助
  • 消融雪機器設置の補助
  • 高齢者住宅等整備の融資・利子補給
  • 障害者世帯改修等の融資・補助・利子補給
  • ひとり親世帯等住宅改修等融資・補助・利子補給
  • ブロック塀等撤去・改修の補助
  • 住み替え・移住の支援・子育て世代の支援

※金額や条件、併用できるかなどの詳細は各市町村のホームページでご確認ください。

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まとめ

以上のように、不動産や住宅購入のための助成は豊富に用意されています。特に優れた省エネ基準を満たしたエコハウスは受ける補助が手厚くなっている印象です。ですが、一つ一つに細かい条件や複雑な申請の手続きがあるのでお客様だけで進めるのは非常に大変だったりもします。ただ、人によっては受けられるかどうかが契約するかを判断する要素になっている場合もあるので、そんな時は情報収集の意味でもお気軽に不動産会社にご相談ください。私たち不動産会社は日々いろいろな種類の制度を扱っているので、お客様が対象になるのかどうか、いくらもらえるのか、どやったら補助金が使えるのか等のシミュレーションを行い、大切なマイホームづくりをサポートさせていただきます。使えるものはキチンと使って、賢く少しでも安く後悔のない住宅を購入しましょう!

INFORMATION

秋田の不動産のご相談は“むつみワールド”へ

住所:
秋田県秋田市八橋本町3-18-33
電話番号:
018-863-5050